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お絵描き中!

イラストレーターYukiの雑記

ミドリムシで世界を救おうとしている起業家の話を読んで、「企業が支持されるにはストーリーが大事」ということの意味が初めてわかりました

最近よく、「企業が人々から支持されるためには、ストーリーが大事だ」と言われます。

 

「ストーリー」の部分は「ビジョン」や「理念」と言い替えられることも多いですね。「企業活動のベースにしっかりとした”想い”のようなものがあると、共感した人々から支持してもらえる」というのです。

 

正直、私はずっとこのことがあまり納得できていませんでした。「結局、商品やサービスにお金を払うかどうかは、それ自体が良いものであるかどうかがすべてでしょ?」と思っていたんです。

 

でも、ある本で株式会社ユーグレナという会社の社長の想いを知って、初めて「ストーリーに惚れ込んで、支持者になってしまう」という体験をしました。我ながら、「ストーリー」の力に驚いています。

 

 

ミドリムシストーリー

読んだのはこちらの、『起業のリアル』という本。内容は田原総一郎氏と若手企業家16名の対談です。

起業のリアル

起業のリアル

 

 

株式会社ユーグレナ社長の出雲充さんも、対談相手の一人です。出雲社長のことは、他の本で読んで少しだけ知っていたのですが、今回、事業に懸ける想いを知って、本当に胸を打たれました。

 

出雲さんの活動の原点は、大学1年生の夏にインターンで訪れたバングラデシュで見た光景です。出雲さんは、バングラデシュでは食糧が不足しており、人々はきっとお腹を空かせているだろうと思い、日本からカロリーメイトをたくさん持って行ったそうです。

 

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でも、現地でカロリーメイトを配ると、返ってきたのはこんな言葉でした。

 

「みんなあなたのように乾パンをたくさん持ってくる。しかし、本当に必要な野菜やフルーツ、牛乳は持ってこない。」

 

現地では、みんなお腹一杯カレーを食べていたそうです。お米やパンのような炭水化物は不足していない。けれど、野菜や牛乳、肉や魚がないために、ビタミンやカルシウム、鉄分といった栄養が不足し、手脚が細くなってしまう。起きている問題は、飢餓ではなく栄養失調でした。

 

「自分は実態を何も知らなかった」と思った出雲さんは、東大の文科Ⅲ類から農学部に転部し、栄養について本格的に学び始めます。

 

そしてついに、「植物でもあり動物でもあり」、魚のDHAも、牛乳のカルシウムも、肉のタンパク質も、ニンジンのベータカロテンも含む栄養満点の生き物、ミドリムシに行き着きます。これこそ、世界の栄養不足問題を解決する、魔法の生き物でした。

 

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出雲さんはミドリムシを培養し、サプリメントにして栄養不足に苦しむ人々に配ろうと事業に乗り出しますが、様々な苦難に直面します。

 

ミドリムシという解に行き着いたものの、大量培養が困難で、世界中で計画が失敗に終わっていました。それでも、出雲さんは研究の末、培養方法を確立します。

 

また、出雲さんは大学卒業後、三菱東京UFJ銀行に就職し、平日は銀行員としての仕事、土日はミドリムシの研究をしていた先生のもとへ行って研究という日々を送ります。

 

これだけでも十分すごいのですが、先生方に「銀行員の週末の楽しみとしては熱心だね」というくらいにしか思ってもらえず、熱意が伝わらなかったという理由から、銀行を退職してしまいます。すると、先生方は、ものすごく協力してくれるようになったそうです。

 

そのほかにも、資金集めでの困難やライブドア事件の影響など、出雲社長とユーグレナ社が様々なことを乗り越える過程については、出雲さん自身による下記の著書に詳しく書かれています。Amazonで現在平均レビュー値4.6の、超良書です。

僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦

僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦

 

 

 対談中で田原総一郎さんが言っていたように、ミドリムシで世界の栄養不足問題が解決されたら、本当にノーベル賞ものです。

 

できあがった、「支持したい気持ち」

出雲さんの話を読み終わったとき、私の中には出雲さんという人、そしてユーグレナという会社を支持したいという確固たる気持ちができあがっていました。

 

ユーグレナ社は現在、ミドリムシを使った健康食品や化粧品を開発しています。正直なところ私は、健康食品も化粧品も、ほとんど興味がありません。でも、出雲さんのストーリーや想いに惹かれてしまったので、プロダクトが本当にいいものなのか確かめる前に、この会社に対しては受け入れ体制になってしまっている自分がいます。

 

その証拠に、本書の読了後、たまたまウェブ上で表示されたミドリムシを使用した化粧品の広告を、私はついクリックしてしまいました。

 

これまで私はウェブ上の広告をクリックしたことは人生で一度もありませんでした。なのに、「ユーグレナ」「ミドリムシ」というだけで、興味と好意を持つようになってしまっている。出雲社長がどれほど一生懸命かを思い出して、応援したくなっている。

 

これが、「ストーリーで企業を支持するようになる」ってことなんだなあと思いました。

 

個人にとってもストーリーが大事

これって、企業だけでなく個人のレベルでも同じなんだろうなあと思います。営業マンでもタレントでも作家でも。

 

その人のストーリー、つまり、「これまでどういう道を歩んできて、どういう思いで活動しているのか。どういう信念があって、何を目指しているのか」ということが見えてきて、共感すると、その人をまるごと好きになる。そうなると、もはや受け手は「ファン」です。

 

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ブログやウェブ上の記事も同じだと思います。書き手自身に対して特に興味を持っていない場合は、よく言われるように「タイトルに惹かれるかどうか」で読むかどうかを判断していて、タイトルに惹かれなければ読んですらもらえません。

 

でも、ひとたび書き手のファンになってしまえば、「タイトルがどういうものであれ、その人の記事はとりあえず読む」ようになります。それは、書き手の人柄、ストーリーを知って、その人をまるごと支持するようになったからなんですよね。

 

想いを語らなきゃもったいない!

以前の私が「理念で支持される企業」なんてものの存在に懐疑的だったのは、よくある「企業理念」が、「誠実・実直・奉仕」みたいな、中身があるんだか無いんだか分からないようなものばかりだったからです。

 

正直、そういう「綺麗な言葉を並べてみました」みたいな感じの「理念」では、深い共感を得るのは難しいと思います。

 

会社の姿勢を表す端的なフレーズも必要なのかもしれないけれど、ストーリーが持つ、人の心を惹き寄せる力を知った今、私は、それを示さないのは企業にとってとてももったいないなあと思います。

 

すべての経営者が本を出すことは難しいでしょうが、今の時代、自分でTED Talkのような渾身のスピーチ動画を撮って自社のウェブサイトにアップするとか、自らブログを書くなどして、事業にかける熱い想いを発信することはいくらでもできます。

 

そうすれば、共感して支持するようになってくれる人がいるかもしれないし、同じ理念を持つ優秀な人が、働きたいと言ってきてくれるかもしれません。消費者や雇われる側だって、ストーリーを求めています。ストーリーに共感して支持してくれる人というのは、支持される側にとって、「価格」や「知名度」で支持する人とは比べものにならないくらい強い味方です。

 

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熱い想いがあるのならば、語らなきゃもったいない!

いろいろな会社や人のストーリーが知りたいです。企業も個人も、ストーリーを発信しよう!

 

 

ここまで読んでくださって、ありがとうございました!

 

Yuki