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お絵描き中!

イラストレーターYukiの雑記

日本では25歳以上で大学で学ぶ人がとても少ないということ

日本と世界 考えたこと

日本では、25歳以上で大学や大学院で学ぶ人が少ないという話を聞きました。大変気になる話題だったので、具体的にどのような状況なのか調べてみました。

 

 

大学入学者に占める25歳以上の割合、日本は世界最低レベル

下記の文部科学省の資料に、大学等で学ぶ社会人に関するデータがまとめられています。

 

社会人の学び直しに関する現状等について|文部科学省

 

5ページに、OECD各国における「大学等への入学者のうち25歳以上の人の割合」のデータがあります。日本では、25歳以上の大学入学者はわずか1.9%。OECD平均の約18%と大きな開きがあることがわかります。

 

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なぜ社会人が学びにくいのか

そして、社会人の大学院への進学が難しい理由は次の通り。言わずもがな、「そんなお金も時間もない」ということです。

 

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3位には「職場の理解が得られない」ということがきています。それもそのはずというか、企業側への調査では約半数の企業が「社員の大学院での修学を原則認めない」としているのです。

 

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企業が社員の修学を認めない理由についての調査結果がありました。こちらは文部科学省の委託事業で行われた調査です。

 

「社会人の大学等における学び直しの実態把握に関する調査研究」報告書

 

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最も多い理由は「本業に支障をきたすため」で50%以上。将来活躍できる人材を育てるための投資に消極的で、とにかくいま目の前にある仕事をしてほしい、会社の仕事に専念してほしいという姿勢を感じます。

 

ただ、彼氏とこのことについて話したら、彼は「日本の大学院は仕事に役立つ学びを提供できる場所になっていないという問題もあるのかも」と言っていて、確かにそうかもしれないと思いました。

 

大学・大学院が仕事や人生に本当に役立つ知識やスキルを学べる場となること、そしてどのようなプログラムを提供しているのかを企業や働く人たちにきちんと知らせることも必要なのだろうと思います。

 

 

長時間労働でも社会人修学率が高い韓国

先に提示した「社会人の修学が困難な理由」に、「勤務時間が長くて時間がない」というものがありました。長時間労働で精一杯の日本人に、大学院で学ぶ暇はどこにもない。当然に思えます。

 

ただ、一つ興味深いことがあります。韓国の状況です。下のグラフは、厚生労働省が発表した平成28年の過労死等対策白書における、各国の雇用者一人あたりの年平均労働時間です。見ての通り、韓国は日本以上の長時間労働社会なのです。

 

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そんな韓国では社会人の修学率はさぞ低いはずと思いきや…韓国での25歳以上の大学入学者の割合は17.3%と、日本よりもずっと高くなっています。

 

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そういえば、過去記事でも少し言及しましたが、韓国では日本よりも人口が少ないのに留学する人の数が多いというデータもありました。

 

 

yuki222.hatenablog.com

 

 

世界最高レベルの長時間労働社会である韓国で、社会人の修学率が高いのは一体どうしてでしょうか?推測ですが、「上昇志向」が一つの要因なのではないかと思います。

 

韓国は競争社会だと言われます。そこでは皆がより上を目指し、他者より抜きん出ようと必死に努力するのでしょう。しかし、同じ長時間労働社会でも、日本はどうでしょうか。日本人は、むしろ「抜きん出ないように努める」傾向があるように感じます。

 

韓国には韓国の問題があるのでしょうが、日本が「みんなで同じレベルにとどまろうとする空気」を何とかしないと、やがて他国との間に色々な差ができてしまいそうです。

 

 

まとめ:「学び」をとらえ直すべき

文部科学省は25歳以上の日本人の修学について様々な調査・報告を行っているようですが、その際にたびたび「社会人の学び直し」という表現を使っています。私は、この表現は改めた方がいいと感じました。

 

学び直すというと、「大学生のときに身につけるべきであったことがちゃんと身についていなかったので、戻ってやり直す」みたいな、まるで「キャリアの巻き戻し」「二度手間」「後退」のような印象を受けます。

 

私が過ごした大学院でも、社会人を経験したことのある院生を「出戻り組」と呼ぶことがありましたが、あれはよくなかったなと思います。

 

「戻る」「学び直す」という表現になるのは、「大学とは、人生の中で18歳~20代前半の時期に行くところ」という考え方の現れです。でも、大学や大学院は社会人のキャリアの先にあっていいはずです。社会人が大学で学ぶということは「やり直し」でも「後退」でもありません。知識や能力をさらに上に積み上げて、キャリアをさらに先へ進めるものだと思います。

 

自分自身も大学院でたくさんのことを学んだ私としては、そのことを多くの人に実感してもらいたいと思います。

 

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